海外FXのアービトラージの特徴は?メリット・デメリットを解説

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海外FXで新しい手法を取り入れたいけど何か良い案はないかな…。

このように悩んでいる時に見つけた「アービトラージ」という手法。

「アービトラージという手法がFXにはあるけれど海外FXで取引する時には禁止されているって本当?」

「そもそも、アービトラージとはどんな取引手法なの?」

この記事をご覧になっている方の多くは、このような疑問をお持ちではないでしょうか?

そこで今回は、海外FXのアービトラージについての基本情報や特徴、注意点などについて解説していきます。

アービトラージについて気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

海外FXのアービトラージとは?

海外FXのアービトラージとは、価格が異なることを利用して利益を得るトレード方法のことです。

為替レートに差がある場合、高いレートで買い、安いレートで売ることで、アービトラージを行うことができます。

この方法は、レイテンシーアービトラージ、スワップアービトラージ、三角アービトラージ(Triangular Arbitrage)、ボーナスアービトラージなど、いくつかの種類があります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、慎重に選択する必要があります。

また、海外FXのアービトラージは、勝率が高いとされていますが、多くの業者が禁止してるケースが多いです。

違法ではありませんが、業者によっては口座凍結や利益没収などの措置を取られる可能性があるため、アービトラージを行う場合は、業者の規約をよく確認することが重要です。

アービトラージには4つの種類がある

アービトラージには、様々な種類があります。

代表的な4つの種類が以下の通りです。

4種類のアービトラージ
  • レイテンシーアービトラージ
  • スワップアービトラージ
  • 三角アービトラージ(Triangular Arbitrage)
  • ボーナスアービトラージ

それぞれ詳しい内容を確認してきましょう。

レイテンシーアービトラージ

「レイテンシーアービトラージ」とは、異なるFX業者が提示するレートに微妙な時間差が生じることを利用した、価格差を狙う取引方法です。

「レイテンシー」とは「わずかな遅れ」を意味します。

たとえば、FX業者Aでは1ドル=110円、FX業者Bでは1ドル=110円5銭といったように、異なるFX業者のレートに差が生じた場合、レイテンシーアービトラージを行うことができます。

FX業者Bで高いレートで売り、FX業者Aで安いレートで買うことで、利益を得ることが可能です。

理論上では、レイテンシーアービトラージを行うことで勝率100%の取引が可能となりますが、実際には困難とされています。

レイテンシーアービトラージの機会は非常に少なく、高速な取引システムや専用のソフトウェアが必要です。

また、多くのFX業者がレイテンシーアービトラージを禁止しており、発覚した場合には利益の没収や口座凍結などの措置を取ることがあります。

レイテンシーアービトラージを許可しているFX業者はあるの?

レイテンシーアービトラージを許可しているFX業者は、ほとんど存在しません

レイテンシーアービトラージは、FX業者にとって不利益な取引であり、発覚した場合には厳しく対処されることがあります。

業者によって、許可されるアービトラージの種類が異なる場合があります。

例えば、トライアングルアービトラージ(3通貨の両建て)については、同じ口座内ならば禁止されていないという業者もあります。

もしレイテンシーアービトラージを行いたい場合には、FX業者の規約をよく読み、本当に可能なのかカスタマーサポートに問い合わせる必要があるでしょう。

スワップアービトラージ

スワップアービトラージとは、FX(外国為替証拠金取引)を利用した「金利のタダ取り」のことです。

同一銘柄のスワップポイントの金利差を狙って利益を得る手法で、「裁定取引」や「スワップサヤ取り」とも呼ばれます。

スワップアービトラージのやり方

スワップアービトラージのやり方は非常に簡単です。

2つのFX業者を使って、アメリカドルの買いと売りを行う(ドル円の買いと売りを同時に行う)だけです。

スワップポイントがプラスになるよう口座を分けて両建てするだけでOKです。

例えば、A口座:買いスワップ「+5」 & 売りスワップ「-5」、B口座:買いスワップ「+4」 & 売りスワップ「-4」というようにします。

スワップアービトラージのメリット

スワップアービトラージにはいくつかのメリットがあります。

まず、為替変動リスクを受けないことが挙げられます。

また、毎日コツコツと利益を得ることができます。

理論的には勝率100%で、リスクがほとんどなく相場を気にしなくても問題ないこともメリットです。

ただし、スワップポイントが変わる可能性があることや、証拠金が2倍必要なことなどのリスクもあるので注意が必要です。

海外FXのスワップポイントについては下記の記事でまとめているので、「まだスワップポイントについての基礎知識がインプットできていない」という方は合わせてお読みください。

海外FXで押さえておきたいスワップポイントの概要と運用時のポイント

三角アービトラージ(Triangular Arbitrage)

三角アービトラージとは、3つの通貨ペアによって生じたわずかな「価格のサヤ」(= price discrepancy)を利益に変える取引手法です。

「3通貨アービトラージ」や「三角裁定取引」「トライアングルアービトラージ」などとも呼ばれます。

三角アービトラージは、3つの通貨ペアを利用して、わずかな価格差を利益に変える取引手法です。

例えば、USD/JPY、EUR/USD、EUR/JPYの3つの通貨ペアを使って取引する場合、まずUSDをJPYに売り、次にJPYをEURに売り、最後にEURをUSDに売ることで利益が生じます。

このような取引は瞬時に行われるため、高い計算能力と迅速な判断が求められます。

FX初心者がつまづくポイントとしてあげられるのが、FXトレードにおける複雑な計算です。
計算式を全て覚えて一から計算すると必ずミスが起こってしまい、大きな損失につながることも珍しくありません。
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XMの計算ツールについては下記の記事で詳しく紹介しているので、ぜひお読みください。

無料で使えるXMの6種類の計算ツールの使い方を解説!

ボーナスアービトラージ

ボーナスアービトラージは、海外FX業者のボーナスとゼロカットを組み合わせた両建て手法です。

2つの業者で口座開設をして、指標発表時などを狙い、それぞれの業者で「買い」と「売り」の2方向の取引をします。

ボーナスアービトラージは、海外FX業者でよく提供される口座開設ボーナス、入金ボーナスを利用して行うのが一般的です。

具体的には、ボーナスサービスを提供する2業者間で両建てを行うことにより利益を狙っていきます。

ただしブローカーによっては、「単一口座でのハイレバトレードの繰り返し」もボーナスアービトラージと見なされる場合があります。

海外FXでアービトラージをするメリット

ここまでアービトラージついての基本情報を見ていきました。

それでは、海外FXでアービトラージをする具体的なメリットとはどのようなことが挙げられるのでしょうか?

海外FXでアービトラージをするメリットは以下の通りです。

海外FXでアービトラージをするメリット
  • 為替変動リスクが低い
  • 相場が大きく動かなくても問題ない
  • テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析ができなくても大丈夫

それぞれ順番に詳しい内容を解説してきます。

為替変動リスクが低い

海外FXでアービトラージをするメリットの一つとして、為替変動リスクが低いということが挙げられます。

アービトラージは売値・買値の差額から儲ける仕組みですので、為替変動による影響を受けにくいです

そのため、為替変動リスクが低いことがアービトラージのメリットとなるのです。

アービトラージは、同じ商品の価格差を利用して収益をあげる取引手法となります。

例えば、海外FX業者Aで1ドル=110円、別の海外FX業者Bでは1ドル=110円5銭というように、海外FX業者間で為替レートに差が出ている場合、「レートが高いFX業者で売って、レートが安いFX業者で買う」ことで、アービトラージを行うことができます。

このような取引では、為替変動による影響を受けにくいため、為替変動リスクが低いと言えます。

相場が大きく動かなくても問題ない

アービトラージとは、異なる市場間の価格差を利用して利益を得ます。

そのため、相場が大きく動かなくても、異なる市場間に価格差があれば利益を得ることができるのです。

一方、FXではスワップトレードを除いて、価格がどちらかに動かなければ利益を得られません。

【スワップトレードとは?】

FXのスワップトレードとは、通貨ペアの金利差の調整が起きることで、FXトレードで「金利が高い通貨」と「金利が低い通貨」ペアを1日以上保有した場合、スワップポイントによる利益が得られる取引です。
スワップポイントとは、取引をする際の通貨間の「金利の差」のことで、毎日受け取ることができます。
メリットとしては、外貨預金に比べて圧倒的に手数料が安いことです。
外貨預金に比べて、1/20〜1/200と圧倒的に取引手数料を抑えれれるため、取引コストの支払いが安く済みます。

トレーダーなら、「何pipsの利幅を狙う」などといったように、価格変動の幅で戦略を取るのが一般的です。

デイトレーダーなら、「最低でも30pips以上の利益を狙いたい」という方針をとることも多く、相場の動きに利益が左右されます。

しかし、アービトラージは価格の歪みを利用して細かく利益を得る方法のため、あまり値動きが発生しなくても利益を得られます

したがって、相場環境に関わらず、いつでも利益を得られる可能性が広がります。

テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析ができなくても大丈夫

FXには「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の大きく分けて2種類の分析手法があります。

テクニカル分析とは、チャートから過去の値動きを読み取り、これから先のトレンドや値動きを予測しようとするものです。

一方、ファンダメンタルズ分析は、政治動向や経済状況などから将来の価格を予測する分析方法です。

FXを続けるにあたってテクニカル分析・ファンダメンタルズ分析の勉強は非常に重要なのですが、アービトラージに限って言えば、チャートの動きを予測する必要がないので必要ありません

難しい専門知識がなくても利益が狙えるというのは、アービトラージのメリットです。

海外FXでアービトラージをするデメリット

海外FXでアービトラージをする時には、メリットだけでなくデメリットも存在します。

海外FXでアービトラージをする具体的なデメリットは以下の通りです。

海外FXでアービトラージをするデメリット
  • そもそも禁止されていることが多い
  • 通常の取引のほうが利益が出やすい
  • 条件の変更で損失が増え続けることもある

デメリットに関しても具体的な内容を詳しく確認していきましょう。

そもそも禁止されていることが多い

アービトラージとは、異なる市場間の価格差を利用して、リスクなく利益を得る投資手法です。

ブックメーカーにおいては、異なるブックメーカー間のオッズの差を利用して確実に利益を得ることができます。

しかしながら、この手法によりブックメーカー側の損失が大きくなるため、ほとんどのブックメーカーが利用規約に「アービトラージの禁止」と明記しています。

利用規約にて禁止しているブローカーでアービトラージを行った場合、厳しい処罰が下されるので、絶対にやめましょう。

通常の取引のほうが利益が出やすい

アービトラージは、異なる市場間の価格差を利用して、リスクなしで利益を得る投資手法です。

理論上、値上がりしても値下がりしても利益が得られることになります。

ただし、戦略にもよりますが、通常の取引のほうが効率よく利益を出せるケースがあります。

特に、海外FXではハイレバレッジをかけた取引が可能で、少額でも資金効率よく大きな利益が狙いやすい環境が整っているといえるでしょう。

資金が少ないけれども短期間で大きな利益をねらっていきたい方は、通常の取引を行うほうがおすすめです。

条件の変更で損失が増え続けることもある

これはスワップアービトラージに限ったことになりますが、条件が変更されることで損失が増え続ける可能性があります。

スワップアービトラージは、為替変動リスクを受けずに毎日コツコツと利益を得ることができます。

理論的には勝率100%で、リスクがほとんどなく相場を気にしなくても問題ないこともメリットですがこれはスワップポイントが変わらないという条件でのみ適用されます。

各国に金利政策は変化しており、それに伴いスワップポイントの数値も変わります。

もし、マイナススワップポイントが大きくなった場合、利益ではなく損失が増え続けることなるのです。

スワップアービトラージをする際には、定期的にスワップポイントが変化してないかを確認しましょう。

海外FXでのアービトラージは勝率が高い?

FXでの取引において、100%利益を得られるという手法はなく、必ずリスクが生じます。

しかし、アービトラージを利用することによって、確実に利益を得られる可能性があります。

そのため、海外FXでのアービトラージは勝率が高いといわれることがあるのです。

その一方で、海外FXではアービトラージに関する厳しい規制を敷いていることも多く、一部の手法についてはFX業者の規約で禁止されているため、注意が必要です。

また、アービトラージでは複数のポジションを持つので、できるだけレバレッジが低い方が良いとされています。

海外FXでアービトラージをする時の注意点

最後に、海外FXでアービトラージをする時の注意点について確認してきましょう。

海外FXでアービトラージをする時の注意点は以下の通りです。

海外FXでアービトラージをする時の注意点
  • ブローカーが指定している禁止行為を必ずチェックする
  • 条件が変わっていないか常に監視する
  • 少額ではまとまった利益を出すのは難しい
  • ロスカットに注意

どれも重要な内容となっているので、知らない内容は必ず確認してくださいね。

ブローカーが指定している禁止行為を必ずチェックする

先ほどから何度もお話しているように、アービトラージは禁止行為として指定されているケースが多いです。

禁止行為を行うと口座凍結や利益取り消しになり、最悪の場合そのブローカーでの取引が2度とできなくなります。

アービトラージをするつもりの方は、事前に必ず利用規約をチェックしてください。

条件が変わっていないか常に監視する

アービトラージは売買差益で利益をだすため、価格変動を気にする必要はありません。

その代わり、取引条件が変わっていないかを常に気にする必要があります

特にスワップアービトラージを行う場合は、スワップポイントがトレード成績の全てといっても過言ではないでしょう。

自分の取引戦略にもよりますが、環境が変化していないか常に敏感になる必要があります。

少額ではまとまった利益を出すのは難しい

アービトラージは少額資金で大きな利益を出すのに向いていません。

売買差益を狙って取引する通常のトレードであれば、大きなトレンドが出るタイミングを狙ってハイレバレッジをかければ1回の取引で大きな利益が得られます。

しかし、アービトラージはレートの差などの小さな差分を狙うことになるので、それほど大きな利益とはなり得ません

特に少額なら、その利益は微々たるものになってしまうでしょう。

少額で取引するのなら、通常のトレードをするほうがおすすめです。

少額で大きな利益を短期間に得たい方は、XMがおすすめです。
XMでは海外FXの中でも最高水準取引環境を提供しています。
XMの高いレバレッジを有効活用する方法は下記の記事で解説しているので、よろしければ参考にしてください。

XMのレバレッジ888倍を有効活用する方法を実践形式で解説!

ロスカットに注意

アービトラージでは、たくさんのポジションを持つことになります。

そうなると注意しなくてはならないのが「強制ロスカット」です。

【強制ロスカットとは?】
強制ロスカットとは、含み損を含めた口座残高が一定水準に達した際に、保有しているポジションが強制的に決済される仕組みのことです。
国内と海外で基準が設けられています。
国内のFX企業では、証拠金維持率が100%に設定されている場合が多いです。一方で海外のFX企業では、50%以下に設定されています。

強制ロスカットにならないように証拠金維持率を保とうとすると、必然的に必要な証拠金が多くなります。

アービトラージを行う際にはある程度余裕をもった資金で行いましょう。

海外FXにおける証拠金維持率や強制ロスカットについては下記の記事で詳しく解説しているので、よろしければ参考にしてください。

海外FXにおける証拠金維持率の概要と強制ロスカットについて解説

利用規約を確認した上でアービトラージを行おう!

いかがだったでしょうか?

今回は、海外FXのアービトラージについての基本情報や特徴、注意点などについて解説していきました。

FXトレードは慣れてくると単調な作業のようなものになってしまう恐れがあるため、新しい取引手法を取り入れてモチベーションを維持する作業も重要です。

その一方で、その手法が禁止行為に指定されていないかを確認することも必要となってきます。

アービトラージはほとんどの海外FX業社が禁止行為に指定してます。

もしアービトラージをしたい方は、必ず利用規約をよく確認した上で行なってください。

最後まで拝読いただき、ありがとうございます!

Picture of 監修者:あん

監修者:あん

大学で経済学の学位を取得後、投資に興味を持つ。為替市場の基礎知識と取引の経験を積み、相場を研究し尽くした独自の手法で資産1億円を突破。投資歴10年のプロトレーダー。そこで得たノウハウや知識を発信。

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