これを書いているのは10月24日(土)の朝6時すぎで、為替市場はもう週末の休場に入っている。明日の日曜に欧州が夏時間を終えて冬時間へ戻るが、米国が切り替わるのはその1週間後だ。来週の5日間は、欧州だけが冬時間で米国はまだ夏時間という、ちぐはぐな状態のまま取引が進む。「冬時間になったから全部1時間遅れる」と覚えていると、この1週間に時刻を読み違える。値動きを追わなくていい今のうちに、何がずれて何がずれないのかを整理しておく。
欧州と米国で冬時間の始まりが1週間ずれる
まず欧州の切り替え日を確かめた。Greek City Timesが2026年10月9日に公開したギリシャの時計の切り替えを伝える記事(公開時点の資料)によると、欧州の現行ルール(current European rules)では10月の最終日曜日(the last Sunday of October)に時計を戻す。ギリシャでは10月25日(日)の午前4時に時計を午前3時へ戻し、UTC+3の夏時間からUTC+2の冬時間に移る。為替市場が休場している日曜のうちに切り替わるわけだ。
米国の日付は法律で決まっている。米国法典15編260a条は、夏時間を3月の第2日曜日の午前2時に始め、11月の第1日曜日の午前2時に終えると定める(原文ではfirst Sunday of November)。2026年の11月の第1日曜日は11月1日なので、米国の夏時間は11月1日(日)に終わる。
2つを並べると、10月26日(月)から10月30日(金)までの1週間は、欧州が冬時間、米国が夏時間という組み合わせになる。日本には夏時間がないため、日本時間で見ると欧州発の時刻だけが先に1時間遅れ、米国発の時刻は翌週になってから1時間遅れる。ずれは1回では終わらず、2段階でやって来る。

冬時間で変わる日本時間のNYクローズ
FXの1日の区切りはNYクローズだ。ザイFX!の取引時間の解説によると、NYクローズは米国時間の17時で、米国が夏時間なら日本時間午前6時、冬時間なら日本時間午前7時になる。基準になっているのは欧州ではなく米国の時計だ。
だから、欧州が冬時間に入った来週も、NYクローズは日本時間午前6時のまま動かない。午前7時に移るのは、米国が切り替わった後の11月2日(月)からの週になる。私も以前は「10月の最終週から冬時間」と頭の中でひとまとめにしていたので、ここが一番思い込みやすいところだと感じている。日足の区切りをNYクローズに合わせているチャートを使っているなら、日足の終値が決まる時刻も同じ順番で変わる。
ロールオーバーとスワップの時刻はXMの表示で確かめる
ロールオーバーは、ポジションを翌営業日へ持ち越す処理のことだ。2通貨の金利差に応じたスワップポイントの受け払いも、このタイミングで発生する。ところが今回、XMの取引条件ページと、XMが運営する解説サイトの取引時間ページは、こちらの環境から取得できなかった。そのため、XMのロールオーバー時刻やスワップの付与時刻はこの記事では数字にしていない。
確かめる手順なら決めておける。MT4・MT5の気配値表示に出る時刻はサーバー時間で、日本時間とは差がある。銘柄の仕様画面では、取引できる時間帯やスワップの値を見られる。私は来週の月曜と、米国が切り替わった後の11月2日(月)の2回、サーバー時間と日本時間の差をメモしておくつもりだ。差が変わった日がわかれば、XMの時間の切り替えが欧州と米国のどちらに合わせているのかを、自分の画面で確かめられる。
スプレッドが広がる時間帯と損切りの置き方
以前のコラムで、NYクローズ前後の早朝はスプレッド(売値と買値の差)が広がりやすいことを整理した。この時間帯がNYクローズに連動するなら、来週は夏時間と同じ日本時間午前6時前後で、11月2日の週からは午前7時前後へ移る。夏時間の感覚で午前7時台を「もう落ち着いた時間」と見ていると、11月からはちょうどNYクローズにぶつかってしまう。
早朝をまたいで損切りの逆指値を置くなら、スプレッドが広がる分の余裕を損切り幅に足し、そのぶんロットを下げて損失額をそろえる。考え方はいつもと同じだが、時刻が動くこの2週間は、早朝をまたぐ注文がどの時間帯に当たるのかを1本ずつ確かめてから置くことにした。
米欧の経済指標を日本時間に読み替える
経済指標の発表時刻は、発表する国の時計で決まっている。みんかぶの経済指標カレンダーの2026/10/24(土) – 10/30(金)の週の表示では、来週の主な予定が日本時間で次のように並んでいた。
- 10月26日(月)18:00 ドイツのIfo景況感指数
- 10月27日(火)21:30 米国の耐久財受注(速報)
- 10月29日(木)03:00 米国のFRB政策金利(FOMC)
- 10月29日(木)21:30 米国の7〜9月期GDP(速報)
- 10月29日(木)22:15 ECB政策金利
欧州の指標は、冬時間に入った後の日本時間で載っている。現地の発表時刻が夏と同じなら、日本時間では夏時間の時期より1時間遅く見えるはずだ。一方、米国の指標はまだ夏時間の日本時間で載っている。21:30という見慣れた時刻のままなのはそのためで、現地時刻が変わらなければ、11月2日の週からは日本時間で1時間遅くなる。
FRBのFOMC会合日程(2026年10月7日更新、更新時点の資料)では、10月の会合は10月27〜28日、次は12月8〜9日になっている。カレンダー上の政策金利の発表は日本時間10月29日(木)03:00だ。12月の会合は米国が冬時間に入った後なので、現地の発表時刻が同じなら、日本時間では今回より1時間遅くなる。
10月29日は、日本時間の未明にFOMC、夜に米GDPとECBが続く。21:30の米GDPと22:15のECBは45分しか離れていない。米GDPが予想を上回ればドル買い、下回ればドル売りに傾きやすい。ECBはECB政策金利2.65%の据え置きが予想されていて、結果や声明がそこから外れればユーロが大きく動くかもしれない。どちらに振れるかは発表まで分からないので、この夜をまたぐポジションの損切り幅とロットは、2つの発表を両方通過する前提で決めておきたい。
休場中の土曜に済ませておく点検
月曜の朝に慌てないよう、今日のうちに次の点を見直した。
- MT4・MT5のサーバー時間と日本時間の差を、来週の月曜と11月2日(月)にメモする予定を入れた
- 来週の米国指標はいつもの日本時間、欧州指標は1時間遅れている前提で、カレンダーの時刻を読み直した
- 早朝をまたぐ逆指値は、NYクローズが来週は午前6時、11月2日の週からは午前7時になる前提で置き場所を考え直す
- 日足の終値を記録しているなら、区切りの時刻が変わる日をメモ帳に書き込んでおく
- XMから取引時間についてのお知らせが届いていれば、この記事の整理よりもそちらを優先する
来週の月曜朝は、チャートより先にサーバー時間の表示を一度見るところから始めるつもりだ。
