海外FX取引に挑戦するにあたり、よく理解しておかなければならないものに「証拠金維持率」があります。
聞いたことはあるけれど、具体的にどういったものかわからないといった方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では証拠金維持率とは何か、どのように取引に影響するのかなどについて解説します。
この記事を読むことによって証拠金維持率が何か理解できるほか、強制ロスカットを避けるポイントなどもわかるので、参考にしてみてください。
海外FXにおける証拠金維持率とは?
証拠金維持率とは、FX口座に入金されている純資産額の割合のことをいいます。
つまり、口座残高に対し、ポジションがどの程度余裕を持っているのかを示したものです。
証拠金維持率が低くなる=取引がうまくいっておらず余裕がない状態のことを指します。
さらに証拠金維持率が低下した場合、ポジションを強制的に決済されるロスカットが起こる可能性が高いです。
なお、証拠金とは担保として預ける金銭のことです。
証拠金維持率について理解を深めていく前に「有効証拠金」と「必要証拠金」について正しく把握しておく必要があります。
有効証拠金
有効証拠金とは、取引に使用可能な証拠金の総額のことをいいます。
トレードで使用できる証拠金の額であり「実質証拠金」や「純資産」と呼ばれることも多いです。
口座の残高、含み益、含み損といった未実現の損益を含めたものです。
仮に証拠金が5万円、含み益についても5万円だった場合、有効証拠金は10万円となります。
証拠金が5万円で含み損が2万円だった場合、有効証拠金は8万円です。
また、損益が推移すれば、有効証拠金も変わります。
必要証拠金
必要証拠金とは、取引をするにあたり、FX会社に預ける必要がある最低限の証拠金を指しています。
例えば、3万円分通貨を購入したいと考えているのであれば、FX会社の口座に必要証拠金として3万円を預け入れなければなりません。
なお、海外FXはハイレバレッジであることで知られており、この原理を使って少ない証拠金で大きな取引が可能です。
ただ、例えば1万円を入金して1,000倍のレバレッジで取引を行ったとしても、必要証拠金は1万円となります。
海外FXにおける証拠金維持率の計算方法
証拠金維持率の計算方式は、以下のとおりです。
- 計算式:有効証拠金÷必要証拠金×100
含み損が発生しているケース
例えば、8万円を入金し、現在の含み損が3万円だったとしましょう。
有効証拠金は取引に使用可能な証拠金の総額となるので、8万円から含み損の3万円を引いた5万円です。
これを式に当てはめてみると「5万円÷8万円×100=62.5」となります。
つまり、現在の証拠金維持率は62.5%です。
含み益が発生しているケース
反対に含み益が発生している場合の計算方法についても確認しておきましょう。
例えば、15万円を入金して3万円の含み益が発生している場合についてです。
有効証拠金は18万円となります。計算式に当てはめると「18万円÷15万円×100=120」となります。
この場合、現在の証拠金維持率は120%です。
あくまで、計算した時点での数字なので、ポジションの損益に変動があれば数字も変わります。
なお、自身で計算しておく必要はありません。FX業者のシステムで自動計算される形となります。
ただ、いくらになった場合にロスカットされるのかについてはあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
海外FXにおける強制ロスカットとは何か
海外FXでは、特定の状況下で自動的に取引が終了する「強制ロスカット」というシステムが存在します。
これは、現在のポジションが自動的に解消されるものです。
ロスカットの目的
強制ロスカットは、損失の拡大を防ぐための措置です。
適切な損切りのタイミングが重要で、遅れると損失が増加し、口座残高がマイナスになる可能性があります。
トレーダーを守る仕組み
強制ロスカットは、トレーダーの安全を考慮したシステムです。
意図しない状況、例えば損切り設定のミスや取引中の不意の睡眠時に、大きな価格変動によるリスクを軽減します。
強制ロスカットのリスク
急激な相場の動きでは、強制ロスカットが追いつかず、証拠金以上の損失が発生することもあります。
証拠金以上の損失は追証として請求されます。
ただし、海外FX業者のほとんどではゼロカットが採用されているため、追証が発生しないというメリットがあります。
ゼロカットシステム
多くの海外FX業者は「ゼロカット」システムを採用しています。
これは、強制ロスカットが間に合わない場合でも、口座残高をゼロに戻す仕組みです。
このシステムは、海外FX特有のもので、国内FXには存在しません。
強制ロスカットの発動基準
強制ロスカットは、業者が定める「証拠金維持率」を基準に発動します。
業者によってこの率は異なり、20%から100%までの範囲です。
証拠金維持率が高い業者では、ロスカットが早く発動するが、残高を多く残せる可能性があります。
安全な証拠金の目安
一般的に、必要証拠金の5倍以上の口座残高を維持することで、ロスカットリスクは低くなるとされています。
これは、証拠金維持率が500%の状態を意味し、この余裕があれば強制ロスカットのリスクは低くなります。
海外FXにおける強制ロスカットの相場
実際に海外FX業者ではどの程度のロスカット率を定めているのでしょうか。
ほとんどの場合は、20~50%以下です。代表的な海外FX業者について紹介しましょう。
◆海外FX業者の証拠金維持率
- Tradeview:100%以下
- MiltonMarkets:50%以下
- XMtrading:20%以下
- AXIORY:20%以下
- FXGT:20%以下
- Gemforex:20%以下
- TitanFX:20%%以下
- iFOREX:0%以下
- LAND-FX:0%以下
一部、0%の業者もあります。
0%ということは、自己資金がゼロにならなければロスカットが行われないことを意味しています。
残高が0になるまで取引できるため、非常にわかりやすいです。
ロスカット水準が高いから安全、低ければ危険といったものではないので、勘違いしないようにしましょう。
ロスカット水準が低くてもゼロカットシステムを採用している海外FX業者であれば、ロスカットが間に合わずに口座残高がマイナスになっても借金を背負うことはありません。
なお、証拠金維持率が100%の海外FX業者を選択しておけば損失は発生しないといったわけではありません。
勘違いしないように注意が必要です。
海外FXにおける強制ロスカットを避ける方法
海外FX業者において強制ロスカットが行われると、自分で予定していたのとは異なるタイミングで決済されてしまいます。
そこで、執行を避けるにはどうすれば良いのかについてまとめました。
方法①マージンコールを有効活用する
マージンコールは、ロスカットが近づいている状況を知らせるシステムです。
証拠金維持率が一定以下になると、マージンコールが行われ、ロスカットのリスクが高まることを警告します。
例えば、ロスカット水準が20%の業者では、50%近くでマージンコールが送られることがあります。
ただし、すべての海外FX業者がマージンコールを提供しているわけではないので、口座開設前に確認が必要です。
マージンコールは登録メールアドレスに通知されるため、常に確認できる状態にしておくことが重要です。
方法②短期取引を行う
短期取引を選択することで、相場の変動に迅速に対応できます。
FXの長期取引、例えばポジショントレードでは、数ヶ月から数年の間、価格変動に注意を払い続ける必要があります。
このような長期間の管理は、特に夜間の大きな価格変動に対応するのが難しいです。
一方、スキャルピングやデイトレードのような短期取引では、取引が数秒から1日で完結します。
このため、夜間の大きな相場変動の影響を受けるリスクが低くなります。
初心者は、相場の動きや変動の原因を正確に予測するのが難しいことが多いです。
そのため、相場の動きを学ぶまでの間、短期取引を選ぶことがおすすめです。
方法③早めに損切りする
損切りは、取引での損失を確定させる行為です。
多くのトレーダーがロスカットされる原因は、損切りのタイミングを逃してしまうことにあります。
早めに損切りを行えば、大きな痛手を避けることができます。しかし、回復を期待して損切りを遅らせると、損失が増大するリスクが高まります。
損切りのルール設定
損切りのタイミングを決めるためには、事前に明確なルールを設定することが必要です。
損切りは損失を確定させる行為であり、ロスカットはFX業者が強制的に行うもので、両者は異なります。
損切りの方法には、損失額、値幅(pips)、テクニカル分析を基にしたものなどがあります。
初心者には、損失額を基準にした方法がおすすめです。
例えば、「資金の○%の損失が出たら損切りする」というルールを設定し、これを厳守することが大切です。
ルールの守り方
一度ルールを破ると、その後の取引での判断が曖昧になる恐れがあります。
ルールを守ることで、損切りのタイミングを逃さず、損失を最小限に抑えることができます。
損切りルール設定のやり方については下記の記事で詳しく解説しています。
方法④ポジションを増やしすぎない
ポジションを増やしすぎた場合、証拠金維持率の低下に繋がり、結果としてロスカットされてしまう恐れがあります。
どのポジションを持つのかについては、事前に十分検討しましょう。
例えば、分散投資の目的で複数のポジションを持っている方もいるのではないでしょうか。
確かに、海外FXでも分散投資を行い、万が一に備えることは重要です。
ですが、ポジションを増やしたことが原因でロスカットされてしまったようなケースは、効果的な対策とはいえません。
いくつかの通貨ペアが気になっているとしても、まずは1~2つ程度に絞って取引を行っていくと良いでしょう。
方法⑤両建てする
両建ては、FX取引において買いと売りの両方のポジションを同時に持つ方法を指します。
両建てにより、損失を固定することができ、特に初心者にとっては相場の予想外の動きに対するリスクヘッジとして有効です。
両建ての注意点
FX業者によっては両建てを禁止している場合があります。
禁止の形態も様々で、同一業者内での複数口座利用や異なる業者間での両建てが許されないこともあります。
両建てが禁止されている業者でこの取引を行うと、口座が凍結されるなどのペナルティが科されることもあるので注意しましょう。
選ぶべき業者
両建てを考慮する場合、その取引を許可しているFX業者を選ぶことが重要です。
事前に業者の規約を確認し、安心して取引ができる業者を選びましょう。
両建てをするならXMがおすすめです。
XMの両建てについての規約に関しては下記の記事でまとめているので、よろしければ合わせてお読みください。
方法⑥追加で入金する
ロスカットが近づくと、維持率が下がり、FX業者の定めるロスカット水準を下回ると執行されます。
証拠金を追加すれば維持率が上がり、ロスカットを避ける可能性が増えます。
追加入金のリスク
しかし、市場の状況が改善しない場合、追加入金は一時的な対策となります。
特に、海外FX市場ではトレンドが続くことが多く、追加入金の資金が尽きるリスクもあります。
追加入金時に検討すること
追加証拠金を考える際は、上限を設定しておくことが重要です。
無計画な追加は、最終的に大きな損失を招く可能性があります。
ロスカットや追加証拠金の選択は、状況を慎重に評価する必要があります。
方法⑦レバレッジをかけすぎない
海外FXの魅力の一つは、高いレバレッジでの取引が可能な点です。
500倍や1,000倍のレバレッジを選べることは確かに魅力的ですが、それに伴うリスクも高まります。
特にFX初心者の方は、高いレバレッジによる大きな変動に対応するのは難しいでしょう。
2倍程度の低いレバレッジから始めることで、取引の基本を学びながらリスクを抑えることができます。
ゼロカットシステムを採用している業者であっても、口座残高がゼロになるリスクは避けられません。
実際、多くのトレーダーがレバレッジをかけすぎることで失敗しています。
経験者であってもレバレッジのリスクは避けられないため、初心者は慎重にレバレッジを選択し、無理なく取引を進めることをおすすめします。
証拠金維持率は正しく把握しておかなければならない
いかがだったでしょうか。
海外FX取引を行う前に理解しておきたい証拠金維持率について解説しました。
トレードに大きな影響を与えるロスカットとも深く関係しているものです。
これらは基本的な仕組みでもあります。理解することなく海外FXを始めるのはおすすめできないので、事前に良く確認しておいてください。
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