FX・海外FXを始めたいと思われている方に向けて、「塩漬け」についてわかりやすく解説していきます。
塩漬けは目的があって使えば良い結果を生むこともありますが、基本的に「おすすめできない」とされています。
FX・海外FXにおける塩漬けとはどのようなものか、概要からリスク、注意点に加え、塩漬けの場合の対処法も解説します。
参考にしていただければ、塩漬けの回避方法や解消法などがご理解いただけるはずです。
FX・海外FXにおける塩漬けの状態とは?
FXや海外FXにおける「塩漬け」の状態とは、長期間にわたり売買をせず、保有し続けている状態のことです。
ただし「長期間にわたり保有する」との目的がある取引であるなら、塩漬け状態とは言いません。
あくまでも「保有し続ける目的がないのに保有し続けている状態」が塩漬けです。
それではまず、塩漬けになる理由とタイミングについて解説していきます。
塩漬けになる理由
FXにおいて塩漬けとなってしまうおもな理由は、損切りのタイミングを失ってしまうことです。
損切りをするタイミングを見失うと、含み損ばかりが膨らみ続けることもあります。
そして損切りができないまま、長期間にわたり保有し続けることになるのです。
塩漬けになるタイミング
FXで塩漬けと呼ばれるようになるタイミングは、一般的には当初の取引目的が消えた瞬間からとされています。
たとえば「半年間保有する」との目的があれば、半年間保有し続けても塩漬けではありません。
しかし目的を持って1か月間保有していて、2か月後に当初の目的が消えたとします。
目的が消えたにも関わらず2か月以上保有し続けていたら、塩漬け状態と言えるでしょう。
FX・海外FXにおいて塩漬けがおすすめされない理由
海外FXにおいて、塩漬けはおすすめできません。
なぜおすすめされないのか、おもな5つの理由について見ていきましょう。
理由1:精神的に不安になるため
おすすめされないひとつめの理由は、精神的に不安になるためです。
FXにおける塩漬けとは、「損失を抱えている」こととイコールとなります。
取引において長期間にわたり損失を抱え続けていると、誰しも不安になるものではないでしょうか。
海外FXでの取引では、冷静な状態で取引をしなければ利益を得られにくくなるものです。
損失を抱え続けている不安な精神状態では、冷静な判断ができません。
その結果、全く関係のない他の損失が発生する可能性もあります。
理由2:損失が膨らむリスクがあるため
塩漬け状態にすると、さらに損失が膨らむリスクもあります。
損失を長期間にわたり抱え続けていると、損失が今後も膨らむかもしれません。
塩漬け状態にする方は、「いつか含み損が含み益に変わるかもしれない」との期待を抱いて保有し続けるものです。
しかし残念ながら、初期のうちに損切りをすれば少額で済んだ損失が、何倍にも膨れ上がることもあります。
以上のように悪いまま保有し続けることで、さらなる損失拡大を招くこともあるためおすすめされていません。
理由3:他のポジションを保有しづらくなるため
他のポジションを持ちづらくなることも、塩漬けがおすすめされない理由のひとつとなります。
なぜなら損失が膨れると、証拠金維持率が低くなり、他のポジションを保有しにくくなるためです。
もし塩漬けとなっているものが多ければ、新たに注文することが一切できなくなるかもしれません。
注文ができなければ利益を逃してしまう可能性もあります。
理由4:新しいチャンスに対応できなくなるため
続いてご紹介する理由は、新しいチャンスに対応できなくなることです。
ひとつ前の項目で、塩漬けにしていると証拠金維持率が低くなり、新たな注文がしにくくなることを解説しました。
新たな注文ができない状態では、もし良い相場が発生してもすぐに対応できなくなる可能性があります。
つまり新しく発生したトレンド相場に乗った注文をしたくても、スムーズに動けなくなってしまう可能性があるのです。
いつでも相場に対応できるように、スムーズに動けるようにするには、塩漬けは避けるべきでしょう。
理由5:塩漬けに慣れてしまうため
そして最後に、FXにおける塩漬けに慣れてしまうことも問題のひとつです。
特に塩漬けにしている最中に、含み損が含み益に変わった方に多く見られる現象です。
もちろん含み損が含み益に変わったのは喜ばしいことでしょう。
しかし成功ばかりではなく、失敗もあるはずです。
もし慣れてしまったときに含み損が膨らみ続けてしまえば、大きな損失へとつながることも考えられます。
FX・海外FXで塩漬けをしたあとの対処法
それではもし塩漬けをしてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?
おすすめの対処法を4つ解説しますので、もしものときにご活用ください。
対処法1:ポジションを保有し続ける
もしFXにおいて塩漬けにしてしまった場合、それでもなお保有し続ける対処法があります。
保有し続けていれば、現在発生している含み損が含み益に変わる可能性があるためです。
ただしもちろん、損失が膨らみ続けてしまうこともあります。
そのため「保有し続ける」との目的を実践する場合には、含み益になる確実性があると判断できたときのみにしましょう。
対処法のひとつとして、保有し続ける方法もあると覚えておいてください。
対処法2:両建てをする
両建てをするのも対処法のひとつです。
両建てとは同じペアで売り・買いの両方を、同じ量で保有することを指します。
もし両方をも保有していれば、損失・利益ともに相殺されるため、結果的に保有していないことと同じになるでしょう。
ただしほとんどの業者で認められているのは、同じ業者内の同じ口座内で保有することのみです。
複数の口座で行ったり、異なる業者間で行ったりすると規約違反となることがあるため注意してください。
両建てでおすすめの海外FX業者はXMです。
XMの両建てについての規約に関しては下記の記事でまとめているので、よろしければ合わせてお読みください。
対処法3:ナンピンをする
続いてご紹介する対処法は、「ナンピン」です。
ナンピンとは指標が逆に進んだときに、さらに購入をする方法のことを指します。
損失が発生したときにさらに購入すると、損益分岐点がプラスの方向に変わります。
すると利益が発生する方向へと転換しやすくなり、塩漬け状態のものが有利な状態になる仕組みです。
ただし失敗するとさらなる損失を抱える可能性もあります。
ハイリスクな方法ではありますが、対処法のひとつとして知っておいてください。
対処法4:損切りをする
塩漬けへの対処法として最もシンプルなのが、損切りをすることです。
思い切って損切りをしてしまえば、塩漬け状態はすぐに解除されます。
損切りをする方法は、損失をできる限り抑えるための方法です。
なるべく早く損切りをすれば、それだけ損失も抑えられます。
FX・海外FXにおいて塩漬けして損しないための注意点
FXや海外FXにおいて塩漬けで損失を出さないためには、次のような3つの注意点を常に意識してください。
注意点1:逆指値注文を入れる
逆指値注文を入れることは、塩漬けで損失を出さないためにとても効果的な手段です。
逆指値注文とは、「◯円以上になったら購入する」と、注文の予約をしておくことを指します。
FXでは値上がりした際の上昇トレンドに勢いがつき、さらに上昇することがあるためです。
さらに損切り注文をしておけば、取引において大きな損失を抱える可能性は低くなります。
塩漬けで損失を出さないためには、「逆指値注文」と「損切り注文」を併用する方法で確実性が高まるでしょう。
逆指値注文については下記の記事で詳しく解説しています。
注意点2:精神的に強くなる
塩漬けを避けるには、「損切りをする」勇気を持てるように、精神的に強くなることも欠かせません。
塩漬けになってしまうのは、損失を確定させる勇気が持てずに、損切りができないことに端を発します。
いつでも決済ができるように、デモ口座などで精神を強く鍛えてみてください。
注意点3:損切りのラインを明確にする
損切りのラインを明確にしておくことも大切です。
「◯◯になったら損切りをする」と自分の中でルールを決めておきましょう。
するとルールに従って損切りをするだけで、塩漬け状態を回避できるようになります。
損切りのラインを明確にしておくことは、取引をするにあたって非常に重要なことです。
損切りラインの設定方法については下記の記事で詳しく解説しています。
FX・海外FXで塩漬けになった時の損切りタイミング
もしFXや海外FXで塩漬けになってしまった場合、適切なタイミングで損切りを行うようにしたいものです。
おすすめのタイミングについて、3つの観点から解説していきます。
タイミング1:テクニカル指標の推移を見極めてから
できる限り損失を抑えたいのであれば、テクニカル指標を見極めてから損切りを行ってください。
指標の揺り戻しが起こった際に損切りを行えば、少しでも損失は軽減されるはずです。
たとえば相場が下がり続けているときに、指標が高くなった瞬間のタイミングで実施するなどの戦略が考えられます。
ただし「もっと損失を抑えられるときがくるかも・・・」と考えていると、塩漬け状態はさらに長引くでしょう。
あまり欲張らずに、適度なタイミングで思い切りましょう。
タイミング2:塩漬けになってすぐ
最もシンプルなタイミングは、塩漬けになってからすぐです。
すぐに損切りをすれば、今以上に含み損が膨らむことはありません。
塩漬けによるデメリットも避けられるようになります。
すぐに損切りを実践すれば、「ダメだった」と気分を一新して、新たな注文に挑戦する気持ちにもなりやすいでしょう。
タイミング3:プラスになるまで保持する
最も危険な方法ではありますが、含み益が発生するまで保持し続けることも可能です。
塩漬けとなっているものでも、相場の転換により含み益へと変わる可能性もあります。
ただし含み損を抱え続ける不安感に負けないこと、充分な資金があることが条件です。
さらに損失が膨らむ可能性があることも、念頭に置いておいてください。
以上のような条件で損切りをせずにプラスになるまで保持し続ければ、利益となることもあるでしょう。
FX・海外FXにおいて塩漬けが良い戦略になるケース
塩漬けはFXや海外FXにおいておすすめされていませんが、次のように良い戦略となるケースもあります。
1:戦略的に塩漬けするケース
最初にご紹介するのは、目的を持って塩漬けをするケースです。
たとえば損失が発生していたとしても、保有し続けている限りはスワップポイントが得られます。
金利差の大きな組み合わせで保有している場合に効果的です。
また相場の転換を予測できれば、含み益へと変わることもあるでしょう。
目的がある時点で「塩漬け」とは呼べないかもしれません。
しかし戦略的に行っている方がいることも事実です。
2:最大損失額を決めて塩漬けするケース
最大損失額を決めて、FXにおける塩漬けを実施することもあります。
最大損失額があらかじめ決まっていれば、損失が膨らみ続けることはありません。
取引者自身でリスク管理をしっかりとでき、マイルールに従って損切りを実行できるなら、塩漬けとなっても安心感があります。
もし目的があり塩漬けを採用するなら、最大損失額を決めておくことは欠かせません。
3:他トレードに影響しないロット数を塩漬けするケース
他の取引に影響しないように塩漬けをすることも戦略のひとつです。
塩漬けにする割合が少なくなれば、もし含み損で終わったとしても大きな問題はありません。
他の組み合わせで利益を出せればプラスになることもあり得るためです。
目的を持って塩漬けを用いるのであれば、ロット数を少なめにすると失敗しにくくなるでしょう。
FXにおける塩漬けは戦略的にはあり!戦略がなければ回避を
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、FXや海外FXにおける「塩漬け」についてご理解いただけたと思います。
FXにおける塩漬けには、損失がさらに膨らみ、新たな注文ができなくなるなどの問題があります。
目的があり取り入れるのであれば別ですが、なるべく避けたいものです。
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